必要な検査を行わなかった場合―検査義務

「CTを撮らなかった」「血液検査をしなかった」という事実だけで過失が決まるわけではありません。検査義務は、その時点の臨床情報から、検査によって確認すべき疾病・病態がどの程度具体化していたかを中心に検討します。

1 検査の必要性

症状、バイタルサイン、既往歴、身体所見、前回検査からの変化等を総合し、重大な疾患を除外又は確認するために検査が必要だったかを検討します。

2 検査にも不利益があります

造影剤、放射線被ばく、侵襲的検査の合併症等があるため、可能性のある疾患すべてについて無制限に検査義務が生じるものではありません。検査の利益と不利益、緊急性、代替検査等も考慮します。

3 検査を指示しただけでは終わらない場合

緊急性のある疾患では、検査がいつ実施され、いつ結果が確認され、その結果に対していつ行動したかまで問題になることがあります。

POINT

「検査すべきだったか」は過失、「検査していれば結果を回避できたか」は因果関係です。